こんばんは、240CAMPです。
仕事やらなにやらでなかなか時間が取れず、長らくご無沙汰でございました!
ついこの間、相方のおじいちゃん経由で廃業する写真スタジオから随分前に譲り受けたフィルムカメラを捨てるけど、いる?という知らせを受けて「はい!はい!!はい!!ほしい!!!」と名乗り出て破棄寸前のフィルムカメラをお迎えしたのでした。
引き取った当初はホコリもひどく、シャッターが下りない様子だったので、チョチョイと自宅でオーバーホールしてめでたく写真が取れるようになりました。
※初めての中盤カメラにワクドキを禁じ得ない大人の図
いただいたカメラは「Mamiya RZ67 ProII」という6×7判、ブローニーフィルムが入る中判カメラというやつです。
1993年に発売されたスタジオカメラマン御用達のカメラだそうで、普段広告の仕事をしている私が駆け出しの頃、仲の良いカメラマンが「めっちゃ古いけど、良い感じのカメラ今日は使うで!フィルムやけど!」と言って見せてくれたカメラがおそらくこの「Mamiya RZ67 ProII」だったような気がします。
製作段階でデジタルデータ派の私としては、超めんどくせぇ。。。。と内心思っていましたが、あがった写真の持つ独特の風合いが10数年たった今でも印象に残っています。
…で、なんやねんって話なのですが、
写真ライフをエンジョイするのはもちろんなんですが、私、超がつくほどのせっかちなもんで(フィルム向いてない…)、
お店に現像を出しても時間もお金もかかるし、なんとか自宅で現像できないかな。と考えまして、諸先輩たちの英知をググりながら、なんとかモノクロ現像ができるようになってきたので記事にしようと思います。
カラー現像はなんか色々ハードルが高そうなので、プロの写真屋さんに出すようにします。笑
ネガ現像ってなんやねん。
いやね、若い子達に話を聞くと
「写真を撮り終えて、カメラに入ってるフィルムを引っ張り出してスキャンすればOKじゃないですか?」
そんな話になりまして、割と衝撃だったんですが。
たぶんそれ、人間が木星で生活するよな時代になるまで繰り返しても一枚もスキャンできません。。
簡単にいうと、
フィルム入れて撮影 ⇒ フィルムをネガ現像 ⇒ 紙にプリントorデジタルデータ化
そう、フィルムで撮影した時は「現像」という処理が必要なんですね。
写真屋さんとかに撮影後のフィルムを出すと「ネガ現像」と「プリント」を同時にやってくれているわけです。
大きい現像所とかだと現像機があるのですが、ウン百万円する代物ですので、普通、自宅でやる時は、いくつかの薬液を使って手で現像していくらしいのです。
現像に使うもの!
人それぞれにやり方が違うようですが、基本的には一緒。
私の場合は、
・ダークバッグ(暗室がわり)
・2リットルのプラスチックビーカー ×3
・2リットルの薬液保存用ボトル ×2
・2リットルのペットボトル ×3
・フィルムクリップ ×6
・漏斗
・水温計
・バット
・フィルム触る用布手袋
※普通の35mmフィルムの場合はフィルムピッカーも必要かと
[/box][box class=”yellow_box” title=”薬液”]・現像液(像を浮かび上がらせる!)
・停止液(浮かび上がった像をキープ!)
・定着液(キープした像を定着させる!)
・水洗い(なんか色々洗い落とす!)
・水洗促進剤(ないと一時間水洗い地獄!)
・ドライウェル(乾燥ムラをなくす!)
[/box]
以上のラインナップでお届けしています。
全部一式揃えても2万円いかないんじゃないかな。
ただし、これらの薬剤は水で薄めたり、調合をしないといけないのでその辺りも書きますね。
・現像液
FUJIFILM スーパープロドール(粉末)
1リットル用であれば、ビーカーに入れた1リットルの水に何回かに分けて徐々に溶かします。
・停止液
近代インターナショナル 臭わない停止液
https://www.yodobashi.com/product/100000001000434878
容量が1000mlなので、2リットルあたり66mlの水で計算。
・定着液
FUJIFILM スーパーフジフィックス
フィルムの場合は水3リットルに薄める。
・水洗促進剤(これがないと一時間くらい水洗いしないといけない)
FUJIFILM 富士QW
水2リットルに溶かします。
・ドライウェル(乾燥)
FUJIFILM ドライウェル
1リットル分を作る場合、本液5ml、てかキャップの一番上のネジ溝まで入れればOK的なことを書いてくれてます。
Amaz○nとかでも入手でき、
ヨドバシ○カメラさんとかビッ○クカメラさんとかにも置いてる店舗があるようでした。
やってみる!
早速やってみましょう。
大きく2つの作業工程に分かれます。
1.暗室orダークバッグ内で現像タンクにフィルムをセット!
2.現像タンクに薬剤をぶっこんで化学反応を起こす!
難しそうだけど、実は案外簡単です。
1.暗室orダークバッグ内で現像タンクにフィルムをセット!
ダークバッグの中に撮影したフィルム、現像タンク、現像リールをぽいぽいっと入れて、ファスナーを閉じます。
ダークバッグ
現像タンク
現像前のフィルムは光に少しでも当てちゃうと「感光」してアウトなので、現像タンクにセットするまでは闇の中、手探りで作業することになります。
フィルムをリールにセットして、現像タンクに入れるだけなんですが、「フィルムをリールにセット」の部分、結構失敗する難関だそうです。
私の現像リールはフィルムの先っちょを差し込んでカシャカシャ動かせば自動で巻かれるやつなので
いままで失敗したことはないですけど。。
※フィルムを触る時は布手袋をしましょう。指紋とかもつくので。
リールに巻いて、現像タンクに入れて、オレンジの蓋をしめれば任務完了。
現像タンクに入れると、オレンジの蓋を取っても光が当たらないようになっているので、外に出してしまっても大丈夫です。
2.現像タンクに薬剤をぶっこんで化学反応を起こす!
さて、ここから化学の実験みたいですね。
フィルムの現像は大量の水を使うので、お風呂とかキッチンとかで行います。私はキッチンでやります。
また、同居人がいる場合は「現像した後はキレイにキッチンを掃除する!」「お風呂を美しく掃除する!」と猛アピールすることで、一定の理解を得ることが可能です。たぶん。(実証済み)
先ほどセットした現像タンクの上の穴から薬剤を投入、排出を繰り返していくわけですが、現像には水温が重要なようで、だいたい液温を20℃くらいにしてあげるのが望ましいです。
春、秋とかだと水道水が20℃前後なので楽なんですが、夏とか冬の場合、水をはったバットに夏ならアイスパック、冬ならお湯orヒーターで20℃くらいに調整する必要があります。
私のレシピはこちら。
こんな感じに薬液を入れて、カクハン。排出して、次の薬液を投入。その繰り返しになります。
現像液を入れる前に「前浴」といって、水でホコリを落とす工程をやる場合もあるようです。
注意点は現像液は泡が立ちやすいので、カクハンするたびに底をトントン手のひらで叩いて泡切りをします。
というか、もう単位も何もむちゃくちゃなので、活字にて書きますねw
1.現像液(20℃):4分15秒
1.初めの30秒カクハン
2.泡切り 私は7回叩くと決めてます(ラッキー7だし…)
3.10秒カクハン
4.泡切り
5.50秒放置
ストップウォッチが4分15秒になるまで
3.〜5.を繰り返します。
終わったら元のビーカーに戻します。
ある程度再利用できるし、そのまま排水溝に捨てると水道局の人に怒られるらしいので、オムツ的なものに染み込ませて燃えるゴミに出すか、水でめちゃめちゃ薄めてから流し捨てるか。各自治体に確認しておけば完璧です。
プラスチックビーカー2リットル
漏斗
2.停止液(20℃):30秒
現像液を手早く排出して、停止液をぶっこむ。
その後カクハン。
3.定着液(20℃):10分
1.初めの30秒カクハン
2.10秒カクハン
3.50秒放置
ストップウォッチが10分になるまで
2.〜3.を繰り返します。
ここまでで勝負は決まります。
フィルムに像が定着してるはずなので、あとは洗い流して乾かすだけ。
4.水:30秒
やさしくカクハン
5.水洗促進剤:60秒
やさし〜くカクハン
6.水:5分
ゆる〜くカクハン
7.ドライウェル:30秒
出来上がりをワクワクしながらカクハン
なんだかんだ25分くらいで出来上がります。
あとは現像タンクからフィルム出して、乾燥させます。
本当はホコリが飛びにくいお風呂場で乾燥させるとベターです。(私はしばかれそうなので物置でやりました)
フィルムの上と下にフィルムクリップをつけて乾燥させるのですが、クリップをつける部分を折ってあげて、その上からクリップで挟んであげるとカールせずに乾いてくれます。
私は初めての現像の時に折らずに乾かしたので、フィルムが平らにならず、カールして出来上がってしまった。。。
私の場合は完成したネガフィルムをフィルムスキャナーでスキャンして、デジタルデータにしてインスタとかツイッターに上げています。
※私の愛機を撮って現像してみました。
まとめ
そんなこんなで長いこと書きましたが、
慣れてしまうと結構ささっと出来てしまうのでオススメです。
フィルムカメラを始めたけど、現像時間かかるし、現像するたびに費用が痛い・・・。
そんな方はやってみたらいいと思います。
現像の原理もなんとなく理解できるし、写真にもっと愛着が湧きますしね。
あくまで私のやり方なので、もっと精度の高い方法もあると思います。
現像したいけど、何からやればいいかわからん。的な人の参考になればと。
では、またね。
240CAMPでした。
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